近年では買い物にクレジットカードを利用することや、住宅や自動車を購入する際にローンを利用することなどが増えているようです。このように現金を使わずに取引を行うことを、株式会社日本信用情報機構では「信用取引」と定義しています。信用取引では個人の信用に基づいて取引が行われるのですが、この個人の信用を表す客観的な情報が信用情報なのです。
「お金を借りたいけど過去に買い物で支払が滞っていたことがある。」、「家賃を延滞してしまった経験がある。」などの方は、カードローンの審査で落ちてしまうのではないかと不安に思っている方もいるかもしれませんね。
そこでポイントとなってくるのが個人信用情報。
個人信用情報にはこれまでクレジット会社や銀行からの借入履歴や支払履歴などのデータが残っています。過去のそういった履歴が残っていて、お金が借りられないのではと不安に思っている方必見!
ここでは個人信用情報の紹介について詳しくご紹介していきます。
個人信用情報とは
一言で個人信用情報といっても大きく分けて、三つの機関に分かれます。例えば、クレジット会社からの借り入れが過去にあった方はCICに記録されますし、銀行からの借り入れがあった場合は日本信用情報機構(JICC )または全国銀行個人信用情報センター(KSC )のどちらかに履歴がデータとして残っているはずです。
個人信用情報機関とは?
クレジットカードや各種ローンを提供する金融機関では、共同でデータベースを設立して利用者に関する情報を登録し、これを管理・運営しています。このデータベースが個人信用情報機関であり、日本では現在3つの信用情報機関が活用されています。
JICC(日本信用情報機関)について
JICC(日本信用情報機関)は日本で最も古い個人信用情報機関であり、CCB・テラネット・全国信用情報センターの統合により誕生しました。主に消費者金融が活用する個人信用情報機関であり、金融庁による指定信用情報機関の指定を平成18年に受けています。
信用情報の反映時間と更新速度が速いことが特徴であり、同日中の複数申し込みなどもしっかりと確認することができるようです。JICCに登録された信用情報はそれぞれ以下の期間登録され、その後は自動的に抹消されることになります。
- 延滞に関する情報は→5年間登録されます
- 債務整理に関する情報は→5年間登録されます
- 複数申し込みに関する情報は→半年間登録されます
CIC(シーアイシー)について
CIC(シーアイシー)は全国信販協会・日本信用情報センター・日本クレジット協会の統合により1984年に誕生した、主に信販会社が活用する個人信用情報機関です。ただし実際には信販会社以外だけではなく、様々な銀行や消費者金融などがCICに加盟してします。
クレジットカードやカードローンで滞納をしたり、あるいは自己破産などの債務整理を行った場合には、金融事故の履歴がCICに登録されることになります。CICには平成24年11月の時点で6億件以上の信用情報が登録され、さらに月に1回以上の登録情報の更新を行うことが義務付けられてします。CICに登録された信用情報はそれぞれ以下の期間登録され、その後は自動的に抹消されることになります。
- 延滞に関する情報は→5年間登録されます
- 債務整理に関する情報は→5年間登録されます
- 複数申し込みに関する情報は→半年間登録されます
全国銀行個人信用情報センターについて
全国銀行個人信用情報センターは銀行系の個人信用情報機関であり、登録される情報の内容などについては基本的にはJICCやCICと同様になります。ただし全国銀行個人信用情報センターには他の個人信用情報機関には登録されない、「官報に掲載された自己破産の情報」が10年間登録されることになります。全国銀行個人信用情報センターに登録された信用情報はそれぞれ以下の期間登録され、その後は自動的に抹消されることになります。
- 延滞に関する情報は→5年間登録されます
- 債務整理に関する情報は→5年間登録されます(官報に掲載された自己破産の情報は10年間登録されます)
- 複数申し込みに関する情報は→半年間登録されます
個人でも信用情報は知ることができる?
信用情報機関に記録された個人情報は、信用情機関だけが閲覧可能になっているわけではありません。自分でもどういった延滞記録や滞納記録が残っているかということを確認することができます。
そういったデータはもちろん自分で削除することは出来ないのですが、ある一定の期間を経て、データは事実上なくなりますので、その期間を終えてからであればカードローンの審査に通る確率もぐんとアップするといえるでしょう。
例えば、「数年前に延滞した経験があるけど、あの記録は残っているのかな」と思い、調べるとします。そういった時には、実際に信用情報機関に足を運んで身分を証明できる物と印鑑を持参すれば、照会してもらうことができます。
また実際にデータを郵送で取り寄せる事も可能です。信用情報開示申込書というものがありますので、そこに必要事項を明記の上、送付すれば返送されてきます。それで例えば、延滞が何年前だったのかということがわかり、自分の現在の状況を把握することができます。
例えばCICの延滞記録が10年前のものであれば、現在のカードローンの申込みに影響はないでしょう。
信用情報機関 | 加盟企業 | 登録期間 | 更新 |
---|---|---|---|
CIC | クレジットカード会社、消費者金融 | 延滞解消後5年間、自己破産7年間 | 原則、月一度。貸金業法に基づく個人信用情報の場合は、新規契約分はリアルタイム。 |
日本信用情報機構(JICC) | 信販会社、消費者金融、銀行、保証会社など | 延滞解消後1年間、自己破産後5年間 | 原則、即日反映。 |
全国銀行個人信用情報センター(KSC) | 銀行、信用金庫 | 事故発生日から5年間、延滞解消後5年間、自己破産後10年間 | 原則、即日反映。各企業によって差があります。 |
どうなればお金を借りることができる?
ここまでは延滞記録などがどの程度の期間、残っているかをご紹介してきました。
ここで一つ注意しておきたいのが、各信用情報機関でデータとして残る期間が違うということ!
例えば自己破産がJICCの場合、履歴として残るのは5年間となっていますが、KSCの場合は10年間。信用情報機関によって期間が違うので、事故記録が消える期間をしっかりと把握しておきたいところです。
ただ、過去にこういった事故記録が残ってしまったら審査に不利に働くかと言ったらそんなことはありません。例えば、延滞していても完済して5年以上経っていれば、問題なく審査も通るでしょう。
以上、信用情報の照会について述べてきました。
過去の金融事故の経験がある方は、カードローンの申請をする前に一度自分で信用情報の照会をしてみてはいかがでしょうか。手数料として数百円程度掛かりますが、それ以外は特に大きな金額が掛かるわけでは気軽に問い合わせることができるでしょう。
信用情報の内容によってはブラックリスト扱いになります!
信用情報としてはクレジットカードや各種ローンの利用履歴や、各種支払いの延滞に関する履歴、さらに自己破産などの債務整理の履歴が登録されることになります。特に延滞や債務整理などの金融事故の履歴が登録されている場合には、すべてのクレジットカードやローンなどの審査に通らなくなる「ブラックリスト」扱いになりますので、くれぐれも注意が必要です。
特に近年では携帯端末を分割払いで購入して月々の通話料金と一緒に支払うケースが増えていますので、これらの分割払いについても延滞することなく確実に支払うことを心がけるようにしましょう。